作品名
「森の学校」キョロロは、参加体験型の自然科学館です。 展示物を見るだけではなく、その展示物を通して、この地域の様々な物事に気づき・発見を楽しんでいただくような展示づくりをしています。 里山というのは、原生林のような自然があるところではなくて、自然を人が利用しながら育まれてきた環境があります。その自然の恵みを持続的に受けるための知恵や工夫、そこで育まれてきた人の活動があります。 人がいろいろな生業として自然にかかわってきている結果、成立している里山の環境ですので、人が少なくなること自体が、里山が維持できなくなってくることに直結します。 私たちがミュージアムとしてできることは、この地域ある、地域の方々にすればごくごく当たり前でなにも珍しくないようなものが、サイエンスやミュージアムの視点で見てみると、実は何事にも代えがたい宝物であるということに気づいていただく、そして、それがこの地域での魅力・磨きというところに繋がっていければと思いますし、それが、関係人口や交流人口に繋がっていき、この地域が持続的に必要とされ続ける地域になっていけば嬉しく思います。
「森の学校」キョロロ 学芸員 小林 誠
新潟県十日町市 下川手集落 保坂 清
▼十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロ (設計=手塚貴晴+手塚由比) 十日町市立里山科学館 越後松之山「森の学校」キョロロは、大地の芸術祭の拠点施設のひとつで、雪国の里山のど真ん中に位置する小さな科学館です。雪降る里山「雪里」の生物多様性に関連した展示や豊富な体験プログラムで里山を楽しく体験し学ぶことができます。 また、地域の博物館として様々な方々と里山の生物多様性や文化 を調査・研究することに力を入れています。その成果を展示・教育・ 体験・観光などの博物館活動へ幅広く活用することで、里山の保全 と地域づくりを目指しています。周囲には、日本一美しいと称される ブナの二次林「美人林」や、森林やため池群が広がる約80ヘクター ルの里山「キョロロの森」が広がり、自然観察をはじめとした各種体 験プログラム、体験学習や動植物の保全活動の場として活用されています。 https://www.matsunoyama.com/kyororo/ https://www.echigo-tsumari.jp/art/art…
【大地の芸術祭の里】 https://www.echigo-tsumari.jp/
【新潟県十日町市】 https://www.tokamachishikankou.jp/
▼大地の芸術祭 新潟県越後妻有地域を舞台に、地域に内在するさまざな価値を、アートを媒介として掘り起こし、その魅力を高めて世界に発信し、地域再生の道筋を築くことを目指す世界最大級の国際芸術祭。越後妻有は、縄文期からの豪雪という厳しい条件のなかで、米づくりをしてきた土地です。人々は、切り離すことができない人間と自然の関わり方を探りながら、濃密な集落を営んできました。そこから「人間は自然に内包される」という基本理念が生まれ、すべてのプログラムに貫かれています。人間と自然がどう関わっていくか――。その可能性を示すモデルになろうと、越後妻有の地域づくりは進められています。